経歴
2015年- 市立札幌開成中等教育学校
2016年- SSP3期生
2019年- 東京海洋大学 海洋工学部 海事システム工学科
2023年- 九州大学大学院 工学府 船舶海洋工学専攻
2025年- 民間企業(鉄道)
SSPでの研究内容 – 衛星リモートセンシングによる北海道日高沖における昆布藻場の推定
もともと海というフィールドに興味があり,このテーマを選択しました.北海道日高沖に繁茂している昆布と,漁師にとっては邪魔者となっている昆布以外の海藻類を衛星画像上で判別することができないかを検討していました.
大学・大学院での専攻について
大学では,船を安全かつ効率的に運航・管理するための技術を学んでいました.特に小型船に興味があり,卒業研究では港に係留された小型船が波高約1mの比較的小さな津波によって転覆・沈没するメカニズムをシミュレーションを用いて調べていました.
大学院では,周囲の状況を把握しながら自動で船を操縦し,ほかの船とぶつからないように進む「自律運航船」の自動衝突回避システムについて研究していました.
ほかの船が正面から近づいてくる場合や,横から進路を横切る場合,後ろから追い越してくる場合など,さまざまな状況を再現し,そのような状況でシステムが安全に衝突を避けられるかを評価するための「問題集」を,どのように作ればよいかを研究していました.
現在SSP+で取り組んでいること
受講生への研究指導のほか,当法人の広報を担当しています.
SSPで学んだこと
先生に「理系は言葉が命」と言われたことが心に残っています.研究は,一人で完結するものではありません.自分の研究がなぜ必要なのか,社会のどのような課題解決につながるのかを他者に伝える必要があります.そのためには,論理的に自分の考えを整理し,適切な表現を選ぶ力を身につけなければならないと思います.
社会人になった現在は,これまでの専攻やSSPでの活動とは異なる分野にいますが,この言葉の重みをより強く感じるようになりました.例えば,鉄道の仕事は,列車の運転に直接関わる運転士や車掌だけで完結するものではなく,さまざまな立場の人との連携によって成り立っています.鉄道システムは複雑であり,現場の課題や改善の必要性を,その仕事を詳しく知らない人に伝えることは簡単ではありません.相手の知識量や読解力に依存せず,背景から丁寧に説明する力は,研究者だけでなく仕事を進めるうえでも欠かせないものだと実感しています.
高校生へのメッセージ
SSP+での研究は,とにかく大変だと思います.私自身も前身のSSPを受講していましたし,これまで7名ほどの受講生に関わってきましたが,全員がテーマ決めに苦労していたことを覚えています.ですが高校生という人生で最も情熱がある時期に研究に夢中になり苦しみながらも根気強く取り組む経験をすることに大きな意味があると思います.また,SSP+では,先生方からだけでなく意欲の高い高校生から刺激を受けられる環境があります.研究を通じて得られる経験だけではなく,同じ環境で努力した同期とのつながりも一生ものの財産になると思います.

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