アーカイブ: 2026年9月6日

【卒業生の声 Vol.5】 柴田眞子 さん

経歴
2021年 吉祥女子高校
2022年 SSP+ 2期生
2023年 エディンバラ大学 地球環境科学学部 生態環境学専攻

SSP+での研究内容
 SSP+では、リモートセンシング技術を活用した土壌水分量の推定手法の開発に取り組んでいました。近年、エルニーニョ現象や記録的熱波で乾燥が激しい地域では、乾燥した炭素を多く含む土壌にも火が移り、森林火災の拡大が一層止まらなくなっています。土壌の性質について元々関心があったこともあり、空中から観察できる指標を用いて土壌水分の推定ができないか、植生指数の開発を行いました。この結果は、地球惑星科学連合大会、及び日本農業農村工学会にてポスターを用いて発表し、さまざまなバックグラウンドをもつ専門家の皆様から貴重なフィードバックをいただきました。

大学での専攻について
 SSP+での活動を通して、生態学に興味を持つようになります。生態学とは、我々ヒトを含む生き物間(個体間、異種間、異コミュニティ)の交流、ないしは生き物がどのように生態系というシステムに関わっているのか、に重点を置き、常に境目を意識するような、非常に新しい、異分野融合的な学問です。リモートセンシングで土壌指標を作成するのはいいけれども、やはり一点一点の土壌水分量には差がある。どうして土壌の性質はほんの数メートル離れたところでも全く異なってくるのだろうか?と考えた時に、植物や微生物の働きがあるのではないか、と生態学の中でも土壌生地化学(Soil biogeochemistry)に興味をもつようになりました。
 現在は、学部の卒業論文のため、土壌の炭素循環に関わる生物学的要因を研究しています。植林をした際、土壌炭素の量・安定性はどのように変化するのか、または変化しないのか。特定の種と共生する菌根菌が、炭素循環の一つの要になっているのではないかと予想して、樹種別比較も行っています。3日ほどをかけて深さ50 cm 以上の土壌を500サンプル以上採取するなど、肉体的にも大変ですが、やりがいのある、面白い、貴重な研究テーマを、大事にして卒業まで本研究に磨きをかけていきたいと思います。

SSP+で学んだこと
 SSP+での経験は、圧倒的に、学部での勉強を有意義なものにしてくれています。特に、論文に安易に飲み込まれない批判的思考力は、普段の高校生活では養えるものではありません。SSP+に参加した時点での私には、自然と論文がすっと入ってきたり批判できるような能力がありませんでしたから、SSP+を通して、アドバイザーやTAのみなさんと議論をする日々は、貴重なものでした。また、研究トピックを決めるところから発表まで、一度大きな流れを経験できるという機会は、学部生になると分かりますが、非常に貴重です。自分が研究のどの段階にいて、何を必要としていて、何を人に聞くべきなのか。優先順位の付け方や、人に頼るということも、学ばせていただきました。以前よりはどんどん積極的に人に頼るようになりましたし、学部生ですが博士課程の先輩方の発表に質問をしたり、先生にも積極的にアイディアを持ちかけたり、相手の反応を考えずに、自らの考えをはっきりと伝える土台となったのが、SSP+だと思っています。このような機会を無償で提供いただけたことには、感謝しています。

高校生へのメッセージ
 解決したい地球規模課題がある高校生のみなさん。科学者になるということが、課題解決への唯一の貢献の仕方ではありません。しかし、科学者として、地球規模の課題と対峙するとはどういうことか。1年間を通して深く学んでみてください。一度決めたら、やり切る覚悟を持って、取り組んでみてください。
 SSP+では、とにかく研究にわくわくした、非常に教育熱心な人たちが集まっています。どこの大学を訪ねてもそうですが、指導教員のやることにしたがってプロジェクトを進め、既存の方法を用いてまだ分析されていない地域のサンプルを取って解析を行い、あらゆる研究の中の一つの”点”を増やすような研究はたくさんあります。クリエイティブにならなくても、研究はできるんだなぁと、気づきました。ただし、そんな研究は面白くない。。!そう思う人がたくさん集まる、面白い環境です。ぜひ、挑戦してみてください。

イギリスでの生態学開講60周年記念スピーチ・まとめ
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【卒業生の声 Vol.4】 佐々木結衣 さん

経歴
2016年- 青森高等高校
2017年- SSP4期生
2020年- 立命館大学生命科学部生命情報学科
2024年- 立命館大学大学院生命科学研究科
2026年- 民間企業(IT系、コンサルタント)

SSPでの研究内容 –
 高校の理科の授業でアオコの発生が環境問題になっていると学びました。そこから、ビクトリア湖のアオコの発生条件について研究しようと決めました。

大学・大学院での専攻について
 大学院では、脳の仕組みをプログラムで再現し、目や耳から入ってきた外の世界の情報を、脳がどのように理解しているのかを研究していました。

現在SSP+で取り組んでいること
 定期ミーティングやスクーリングでのサポートを行っています。

SSPで学んだこと
 SSPで教わった「定量的に伝える」ことは、大学から社会人になった今でも変わらず役に立っています。大学時代は、脳神経のモデルにおいて「外界からの入力に対するモデルの再現率を80%まで高めた」など数値で示し、教授との議論を進めていました。社会人として働く現在も、「現在8割完了し、16時までに提出できます」などと伝えるようにしています。定量的に伝える習慣は、どの環境でも円滑なコミュニケーションを築く基盤となっています。

高校生へのメッセージ
 研究を進める中で、勉強や部活との両立に追われたり、実験が思うように進まなかったりと大変なことも沢山あると思います。私自身も高校や大学時代、「時間が足りない」「結果が出ない」と不安になったことが何度もありました。ですが、アドバイザーやTAの方々、一緒に研究をする仲間に支えられ、研究を続けることができました。そうして苦労した末に、自分の立てた仮説が結果として証明された瞬間は、「誰も知らない新しい発見をした!」とワクワクしたことを覚えています。研究を続けていく中で、少しでも研究の楽しさを見つけてくれると嬉しいです。頑張ってください!