中学3年生から約3年間にわたり、SSP+で研究活動を継続してきた大島七海さんのインタビューです。大島さんは、衛星画像を用いて森林火災による二酸化硫黄(SO₂)の分布や移流高度を解析する研究に取り組み、JpGUでは2年連続で研究成果を発表しました。3年間にわたって研究を発展させてきた大島さんに、SSP+での経験を振り返っていただきました。
主な業績:
[1]日本地球惑星科学連合(JpGU) 2025、2025年5月25-30日、幕張、一般セッション
・衛星画像を用いた森林火災によるSO2分布の時空間解析,[日,口頭] 大島七海(市立札幌開成中等教育学校,5年)
[2]日本地球惑星科学連合(JpGU) 2026、2025年5月24-29日、幕張、一般セッション
・SO2 advection height from Forest Fires Using Satellite Imagery 衛星画像を用いた森林火災におけるSO2の移流高度に関する解析,[英,ポスター] 大島七海(市立札幌開成中等教育学校,6年)
SSP+に応募しようと思ったきっかけ
私がSSP+に応募しようと思った理由は2つあり、1つ目は研究の手法を学びたいと考えていたからです。私の学校では探究活動が盛んであり、折角自分でテーマを考えて自由に研究するのであれば、どのように研究すれば良いかも学びたいと思いました。また2つ目に、地学分野が自分に身近だったからです。私はキャンプやスキーが趣味で、よく山や森に行っていたので、自然環境に関する研究をしたいと思い応募しました。
研究テーマについて – 衛星画像を用いた森林火災におけるSO₂の移流高度に関する解析
森林火災では多くの有害物質が排出されますが、例えばSO₂は、ガスの状態から硫酸塩に化学変化し広範囲に運ばれます。私の研究では、汚染物質が分布する高度によって大気に与える影響は異なることから、将来的にその影響を定量化することを見据えて、SO₂が移流する高度を推定しました。
SSP+に参加した最初の年では、主にテーマの選定を行いました。テーマの選定では自分の研究の意義について、その研究がなぜ必要なのか、どのような新規性を持つのかを述べる必要があります。研究の肝となる難しいパートでしたが、アドバイザーの方々とTAの皆さんに助けられながらテーマに新規性を見出すことは、初めての経験で刺激的でした。
2年目ではテーマの決定後、研究の対象地域や手法を細かく決めて実験、考察を行い、2年目の最後に学会での発表を行いました。そして学会発表で見えた改善点やアドバイスを元に、3年目では先行研究を調べ直しつつ、実験データを増やし、2年目ではわからなかった結論を得て2回目の学会発表に至ることができました。
活動を通して学んだこと、経験してよかったこと
活動を通して、粘り強く取り組むことの大切さを改めて学びました。研究の中であるアイデアの実現性を検討する際にSO₂の体積比を試算してみたときも、最終的にその推定値そのものを発表で使うことはありませんでしたが、試算の際に学んだ温位などの気象に関する知識は、実験結果の考察をする時に必要となりました。このように自分の経験が無駄になることはないという学びは、人生経験として自分の中に残っています。
苦労したこと,乗り越えたこと
大変だったことの一つは、文献や実験結果を一つ一つ丁寧に整理することです。研究の中で自分は実験結果や文献の内容を理解していると思っていても、他人に説明するとなると上手くできないということがありました。このように他者への説明を通して理解の不足に気づくことができます。プログラムを通して、相手に研究内容を説明することは、自分の理解を深めることと、他者の力を借りることの両方のために必要だと学びました。
JpGUに参加した感想
JpGUでの参加を通して、研究の連続性を実感することができました。学会での口頭発表後に何人かが質問やアドバイスをして下さったのですが、アドバイスを受けると研究をもっと発展させたいという気持ちが膨らみました。そして、自分のこの「質問されたことを確かめてみたい」という気持ちに気づいたとき、研究には終わりがなく、それこそが魅力なのだと改めて感じることができました。実際にこの年のJpGUで見えた改善点やいただいたアドバイスを元に、次の年のJpGUでのポスター発表でより具体的な考察を行うことができました。またポスター発表では海外の方も含むいろいろな方と1対1で会話することができ、楽しく刺激的な時間となりました。
おわりに
SSP+で行ったような研究活動は自分にとって初めてでした。その中でアドバイザーの方々、TAの皆さん、同じプログラムの友人達に大いに助けられ、時間を共有したことで、多くの刺激と困難を得て、少しずつ進むことができたと思っています。貴重な時間を本当にありがとうございました。

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